5年後の数字、部門長は知っていますか ― 上から落とす数字と、下から積む数字
先日の個別相談でのことです。5か年計画をつくった社長から、こんな話がありました。
「この数字に、本当にたどり着くのかなと」
今回は、この相談から見えた「5年後の数字を、誰と共有するか」についてお伝えします。
「上げても上げても、食われる」
人が足りない、コストは上がる
人が足りない。コストは上がり続ける。
値上げをお願いしても、上がった分は、すぐ経費に食われていく。
「上げても上げても、食われるんです」
正直、業界に絶望感を覚えるときもある。社長は、そう話されていました。
それでも、社内はよく回っていた
ところが、話を聞いていくと、社内はよく回っていました。
毎週月曜に、部門長との会議がある。数字がズレたら、その場で埋め方を決める。
会議の回数を増やしてから、部門長の動きが変わりました。新しい仕事も、取れるようになってきたそうです。
ちゃんと、手は打たれている。では、何が足りないのか。
部門長が知っているのは「今年の予算」だけ
話しているうちに、社長ご自身が気づかれました。
「そういえば、5年後に会社がどこを目指すのか、部門長にはまだ伝えていないですね」
部門長が知っているのは、今年の予算だけ。実は、これはとても多いケースです。
今年の予算だけでは、去年の延長になる
今年の予算だけを渡されると、人は、今年のやり方の延長で考えます。
去年の数字に、少し足す。それ以上の案は、出てきません。
5年後を見せると、新しい打ち手が出る
5年後の姿を先に見せると、「今のやり方のままでは届かない」ことが見えます。
そこではじめて、新しい打ち手が出てくるのです。
5年後を見せてはじめて、今年のやり方が変わる。
5年後の数字を、部門に渡す4つの手順
順番は、次のとおりです。
- 5年後の行き先を決める(社長の仕事)
- その数字を、部門に渡す
- 部門が積み上げて、予算をつくる
- 差が出たら、埋め方を一緒に考える
上から落とすだけでも、下から積むだけでも、足りません。
大事なのは、その2つをぶつけ合わせることです。
おわりに
相談の最後に、社長はこう言われました。
「自分だけだと、限界があると感じました」
社長が一人で数字を抱えているうちは、会社は、社長の速さでしか進みません。
貴社の部門長は、5年後の数字を言えるでしょうか。
言えないとしたら、まずは5年後の行き先を、部門長に伝えるところからです。
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