給料が上がる条件 ― 「来年は上げるつもり」が届かない理由
「来年は上げようと思っていたのに、辞めてしまって」
社長から、ときどき聞く言葉です。
DMM創業者の亀山敬司会長も、動画の中で同じことを話されていました。
他の社長からも、よく聞くと。
悪気のある人は、どこにもいません。
それでも、人は辞めていきます。
なぜ、社長は慎重になるのか
理由は、給与のしくみにあります。
給料は、上げやすい。けれど、下げにくい。
一度上げた基本給は、業績が落ちても戻せません。
だから社長は、こう考えます。
今年は良かった。でも、たまたまかもしれない。
もう1年、様子を見ようか。
これは、悪い判断ではない
経営者としては、むしろ健全な慎重さです。
固定費は、一度増えると毎年ついて回ります。
社員10人の会社でひとり月1万円上げれば、社会保険料を含めて年間150万円ほどの増加です。
慎重になるのは、当然です。
社員の側は、どう受け取るか
一方で、社員はどうでしょうか。
今年、結果を出した。頑張った自覚もある。
だから、今年の評価に出ると思っています。
そこで、ほぼ据え置き。
「見てくれていないんだな」
こうなります。
1年のズレが、退職になる
社長は「来年上げるつもり」。
社員は「今年の答えが出た」。
同じ出来事を、違う意味で受け取っています。
このズレが、退職の理由になります。
先に、口に出しておく
やることは、そう難しくありません。
頭の中にある「来年は上げるつもり」を、先に言葉にしておくことです。
伝えるのは、この3つ
- 何が、どこまでできたら上がるのか
- いつ判断するのか
- 今回、据え置きにした理由
この3つを伝えておけば、据え置きも「納得できる据え置き」に変わります。
言えないのは、決めていないから
言葉にできないときは、たいてい言い方の問題ではなく、基準が決まっていません。
社長の頭の中に「なんとなくの合格ライン」があるだけの状態です。
頭の中にあるうちは、どれだけ良いことを考えていても、社員には届きません。
賃上げの話も、同じです
いま、どの会社でも賃上げが課題になっています。
ただ、原資をどう作るかの前に、決めておくことがあります。
何を、どこまでやったら上げるのか。
ここが決まっていないと、原資ができても、配り方で迷うことになります。
そして、配り方で迷った結果が、「社長の感覚」です。
おわりに
貴社の「給料が上がる条件」を、社員は言えるでしょうか。
言えないとしたら、まず1つだけ決めてみてください。
来期、何がどこまでできたら、いくら上げるのか。
その1つを口に出すだけで、社員の見ている景色は変わります。
評価と賃上げの原資をどう設計するかについては、メルマガでもお伝えしています。
経営相談の現場で見えたことを、
毎週メルマガでお届けしています。
▼ご登録はこちら



