【経営参謀ラジオ #020】2030年問題がクリニック経営を直撃—賃上げ・人材不足・負のスパイラルからの脱出戦略
「最低賃金1,500円時代」はクリニック経営にとっても他人事ではありません。
高知市の中小企業に社外CFOとして伴走するサンブレイン税理士事務所のバイ(馬醫)が、
経営参謀ラジオ第20回でクリニック経営における2030年問題を深掘りします。
賃上げ・採用難・サービス悪化という「負のスパイラル」に陥る前に、
今すぐ打つべき手とは何か。
医療業界に限らず、すべての中小企業経営者に通じる内容です。
最低賃金1,500円時代が迫ってくる
2024年度の最低賃金は1,121円。前年比66円・約6%の引き上げは過去最大の上昇幅でした。
そして与野党を問わず「2030年までに最低賃金1,500円」が共通の目標として掲げられています。
毎年6%ずつ上昇が続けば、2030年には計算上ほぼ1,500円に到達します。
現在から1.4倍の水準です。
国税庁が公表する民間平均給与478万円も同様のペースで上昇すれば、5年後には約678万円
1人あたり年間200万円近い人件費増が見込まれます。
クリニックも例外ではありません。
スタッフの賃金を上げなければ、より好条件の職場に人材が流出します。
採用難が引き起こす「負のスパイラル」
賃上げができないクリニックで起きる典型的な悪循環があります。
採用が難しくなる→離職者が出る→残ったスタッフに負担が集中する
→サービスの質が低下する→患者数が減る→売上が減る→さらに賃上げが難しくなる
この負のスパイラルに陥ると、抜け出すのは非常に困難です。
医療業界は今、業界を超えた「優秀な人材の取り合い」が始まっています。
他業界が賃上げを進める中で、
医療従事者がより好条件の業界に転じるケースも増えてきます。
将来的には医師を目指す人の数が減るリスクさえあります。
クリニック経営の構造改革—バイさんが最初に手をつける3つのこと
一般企業であれば「値上げ」が賃上げの原資を生む有力な手段ですが、
保険診療が中心のクリニックでは診療単価を自由に上げることはできません。
だからこそ、構造から変えていく必要があります。
バイさんがクリニック支援で最初に取り組むのは以下の3点です。
① 数字の見える化—バックオフィスの脱・属人化
経理・総務・医事周りの業務が特定のスタッフに依存している状態を解消します。
「あの人がいないと数字がわからない」という状態では、経営判断のスピードが上がりません。
まず数字を誰でも見られる仕組みに変えることが最優先です。
② IT化・自動化による生産性向上
紙ベースの業務をデジタル化し、自動化できる工程を減らすことで、
1人あたりの生産性を上げます。
音声入力・AI活用・クラウドシステムの導入など、
DXによって人的コストを抑えながら質を維持する体制を整えます。
③ 現状把握から始める収益改善
広告費のROI(投資対効果)が出ていない、実験費が過剰にかかっているなど、
コスト構造の問題はクリニックによって千差万別です。
まず現状の数字を正確に把握し、どこに手をつければ最も効果が出るかを設計します。
「数字」が先、「人」は後—クリニック経営改革の順序
バイさんが強調するのは、改革の順序です。
人の問題に先に手をつけようとしても、数字の中身が見えていなければ判断できません。
まず収益構造を数字で可視化し、損益分岐点・労働分配率・患者単価を把握した上で、
人材戦略・働き方改革・DX投資の優先順位を決めていく—この順番が重要です。
先生方は数字との相性が良く、データで示すと動きやすい傾向があります。
感情論ではなく数字で経営を語れる参謀がいることが、クリニック改革を加速させます。
まとめ
2030年の最低賃金1,500円時代に向けて、
クリニック経営は今まさに構造改革を迫られています。
賃上げ・採用難・人材流出という負のスパイラルを断ち切るために、
数字の見える化・ITによる生産性向上・収益構造の設計を今すぐ始めることが急務です。
クリニック経営のパートナーとして、社外CFOの役割がますます重要になっています。
バイさんの著書『稼ぐ数字 儲け続けている経営者はセオリーを知っている』(マネジメント社)も
ぜひあわせてご覧ください。
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