個人事業主と法人の違いは?法人成りの最適なタイミングを徹底解説

ビジネスが軌道に乗ってくると、
多くの個人事業主が直面するのが「そろそろ法人化(法人成り)すべきか?」という悩みです。
「税金が安くなるらしい」「社会的信用が上がる」といった話は聞くものの、
具体的にどのタイミングで決断すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、個人事業主と法人の税率や経費の違い、
そして法人化を検討すべき具体的な「売上・利益のライン」について徹底解説します。
1. 最大の違いは「税率」の仕組み
個人事業主と法人では、利益にかかる税金の計算方法が根本的に異なります。
• 個人事業主(所得税):累進課税 所得が増えれば増えるほど、
税率が高くなる仕組みです。住民税(約10%)と合わせると、
最高で約55%もの税金が課せられます。
• 法人(法人税):比例税率 所得の金額にかかわらず、
税率は概ね一定です。
中小企業の場合、年800万円以下の部分は約15%、
それを超える部分は約23.2%と、段階的に上がりますが、
実効税率(地方税などを含めた負担率)で見ても33%程度に収まるケースが多いです。
つまり、「ある一定の利益を超えると、個人で払うよりも法人で払った方が税金が安くなる」
という逆転現象が起きます。これが法人化による節税の基本原理です。
2. 法人化すべき「2つのボーダーライン」
では、具体的にいくら稼いだら法人化すべきなのでしょうか?目安となるのは以下の2つのラインです。
① 課税所得「900万円」のライン(利益の目安)
個人の課税所得(売上から経費や控除を引いた額)が900万円を超えると、
所得税率は33%に跳ね上がります。
法人税の実効税率は約33%程度で頭打ちになるため、
個人の所得が900万円を超えるなら、
法人化して法人税を支払ったほうが手元に資金を残しやすいと言えます。
また、もっと手前の「利益500万円」程度から法人化を検討し始めるケースもあります。
② 売上「1,000万円」のライン(消費税の壁)
個人事業主として課税売上高が1,000万円を超えると、
その2年後から消費税の納税義務が発生します(課税事業者になります)。
しかし、このタイミングで法人化(資本金1,000万円未満で設立)すると、
新設法人は原則として最大2年間、消費税の納税義務が免除されます。
つまり、個人事業主としての免税期間が終わるタイミングで法人成りすれば、
さらに最大2年間の免税メリットを受けられる可能性があります。
※ただし、インボイス制度の登録状況によっては
免税期間を活用できない場合があるため、専門家への確認が必要です。
3. 「経費」と「責任」の範囲も大きく変わる
税率以外にも、法人化には大きなメリットがあります。
経費の範囲が広がる法人は
個人事業主よりも経費として認められる範囲が広くなります。
• 役員報酬(自分の給料)
個人事業主の「生活費」は経費になりませんが、
法人の「役員報酬」は経費(損金)になります。
さらに、受け取る個人側でも「給与所得控除」という
経費のような枠が使えるため、二重の節税効果が期待できます。
• 家族への給与
法人であれば、事業に従事している家族への給与も柔軟に設定でき、
所得の分散による節税が可能です。
• 生命保険や社宅
条件を満たせば、生命保険料や自宅兼オフィスの
家賃の一部を経費にできる場合があります。
■責任の範囲(無限責任 vs 有限責任)
• 個人事業主(無限責任)
事業で失敗して多額の負債を抱えた場合、
個人の全財産を投げ打ってでも返済する義務があります。
• 法人(有限責任)
原則として、出資した金額の範囲内でのみ責任を負います。
会社が倒産しても、個人の資産まで没収されることはありません。
※ただし、銀行融資などで社長個人が「連帯保証人」になっている場合は、
個人も返済義務を負う点には注意が必要です。
4. デメリットも理解しておく
良いことばかりではありません。以下のコストや手間が発生します。
• 赤字でも税金がかかる:
法人は赤字であっても「法人住民税の均等割」として、
最低でも年間約7万円の納税が必要です。
個人事業主なら赤字の場合、税金はかかりません。
• 社会保険への強制加入
社長1人の会社であっても、健康保険と厚生年金への加入が義務付けられます。
保険料は会社と個人の折半となるため、負担額は国民健康保険・国民年金よりも高くなる
傾向があります。
• 事務負担の増加
決算業務や登記手続きなど、事務作業が複雑になり、
税理士などの専門家報酬(年間50〜80万円程度)が発生することが一般的です。
まとめ
法人化の最適なタイミングは、
「利益が安定して900万円を超えそうか」
「消費税の課税事業者になるタイミングか」
「対外的な信用が必要か」といった要素で判断します。
税金のメリットだけでなく、
社会保険料の負担増や事務コストも含めて
シミュレーションすることが重要です。
迷った際は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
▼▼ご相談フォームはこちら(スマホで簡単入力)▼▼

※ご相談内容に「会社設立」とご記入いただけるとスムーズです

