【経営参謀ラジオ #014】「値下げが当たり前」という呪縛を解け—鋳物メーカー島田社長が語る価格転嫁と粗利経営の実践

2026/02/16 ポッドキャスト

「値上げしたらお客さんに怒られる」「うちの業界では無理だ」

そう思い込んでいる経営者の方に読んでいただきたい内容です。

高知市の中小企業に社外CFOとして伴走するサンブレイン税理士事務所のバイ(馬醫)が、
経営参謀ラジオ第14回でもトミナガ代表・島田誠社長をお迎えします。

事業承継の苦労、粗利経営の実践、そして価格転嫁の壁をどう乗り越えたか。
67年企業のリアルな経営改革の話です。

世代ギャップと「どうせ無理」の壁

島田社長が40歳で社長に就任した時、前任の2代目社長は80歳。

倍近い年齢差の中で引き継いだ経営は、
長年の厳しい時代を経験してきた社員たちのネガティブなマインドとの戦いでもありました。

「そんなことやったって無駄だ」「どうせ結果が出ない」
新しい取り組みを提案するたびに向き合わなければならなかった壁です。

島田社長が選んだのは、抵抗する人を説得し続けることではなく、
一緒に動いてくれる人を中心に結果を出すことでした。

まず経営理念と事業計画を策定し、「社長の一言で何でも変わる」状態から脱却。
幹部との対話を増やし、課題を共有しながら信頼を積み上げていきました。

結果が出始めたのは就任から2〜3年後。
実績が人を動かし、少しずつ改革が加速していきました。

「3本の矢」で組織を支える

島田社長の強みのひとつは、親族3人による役割分担です。

島田社長が営業(仕事を取る)、
専務が製造技術(作り方を考える)、
常務が加工後処理を担当。
それぞれの専門性を活かした体制が、経営の安定を支えています。

先代社長が「3本の矢」と呼んでいたこの体制は、
同世代の3人が悩みを共有しながら切磋琢磨できる環境でもありました。

また、全国の鋳物業界団体の若手経営者委員会への参加も、
孤独になりがちな経営者として大きな支えになったといいます。

同じ悩みを持つ仲間の存在と、社内に自分の味方になってくれるキーパーソンがいること。
この2つが島田社長の心の支えでした。

粗利経営の実践—変動費を抑え、価格を上げる

島田社長が経営で最も重視してきたのが「粗利(限界利益)」です。
マネジメントゲームで管理会計の基礎を学び、
「売上から変動費を引いた粗利でいかに固定費を賄うか」という視点を経営の軸にしてきました。

変動費管理では、原材料の分散購買によるリスク低減や、
全国ネットワークを通じた安価な部材の調達などで、コストを着実に抑制。
一方で電気代は入社時から2倍以上に上昇するなど、外部環境による上昇圧力は避けられません。

だからこそ取り組んできたのが「価格転嫁」です。

「値下げが当たり前」という呪縛との闘い

かつて日本の鋳物業界は約1,800社ありましたが、
海外製品の流入と価格競争の中で600社近くにまで減少しました。

「値段は下げるものだ」という意識が業界全体に染み込み、
耐えて耐えて倒れていく会社が後を絶ちませんでした。

島田社長が価格転嫁に踏み出したのは2017年頃。
最初は「あなたのところだけだ」と言われ続けました。
しかし業界団体として声を上げ、全国の同業者が一緒に動くことで、
お客さんの認識も変わり始めます。

「鋳物産業が衰退することはお客さんにとっても損失だ」
その理解を得るまで、何十回も足を運んだお客さんもいたといいます。

価格転嫁は1回の交渉で終わるものではありません。
データと資料を持参し、粘り強く対話を続けた結果、徐々に理解を得られるようになりました。

これからの課題—人件費転嫁という次の壁

原材料費・電気代の価格転嫁はある程度進んできた一方、
人件費の上昇をどう価格に反映するかはまだこれからの課題です。

最低賃金が2030年に1,500円になれば、平均年収は現在の478万円から678万円へ
年間200万円近い人件費増が見込まれます。

自動車産業では労務費転嫁の理解が進んでいる一方、
一般産業機械向けではまだ温度差があるといいます。

しかし島田社長は明確な姿勢を持っています。

「毅然とした態度で、資料を元に交渉を進めていく」
経営を守るための価格転嫁は、もはや選択肢ではなく必須条件です。

まとめ

「値下げが当たり前」という呪縛を解き、粗利を守りながら会社を存続させる。
島田社長の67年企業経営の実践は、すべての中小企業経営者に通じるメッセージです。
事業承継時のコミュニケーション、粗利経営の徹底、そして価格転嫁への覚悟。

稼ぐ数字とは、感覚ではなく戦略で作るものだと改めて実感できる回でした。
バイさんの著書『稼ぐ数字 儲け続けている経営者はセオリーを知っている』(マネジメント社)も
ぜひあわせてご覧ください。

今回のゲスト:株式会社トミナガ

株式会社トミナガ
▼会社HP
https://nitto-shoji.com/index.html

▼Facebook
https://shop.nonoca.in/https://www.facebook.com/shimada.makoto?locale=ja_JP


こちらから
↓↓↓

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 6e7eddfd7a6559a172f332ba208b4477-1024x1024.jpg

バックナンバー

https://utage-system.com/members/Wf4pHAUDDGHl/home

『稼ぐ数字 ─ 儲け続けている経営者はセオリーを知っている』(マネジメント社)バックナンバー

こちらから
↓↓↓
https://amzn.asia/d/gOxFMd1

■ 聴取方法

以下のリンクから、どなたでも無料でお聴きいただけます。

Apple Podcast
↓↓↓
https://x.gd/x0mDs