春に税務調査が来たら要注意?

2026/07/08 税務調査

「最近の調査」のリアルと、知らないと危険なこと
「うちの決算月は春の調査シーズンじゃないはずなのに、なぜか調査の連絡が来た」

もしあなたが個人事業主・経営者で、こんな状況に心当たりがあるなら、
少しだけ注意が必要かもしれません。

実は税務調査には“入りやすい時期”があり、その時期から外れたタイミングで調査が来るときには、
税務署側がすでに何かをつかんでいる可能性が高いからです。

今回は、数多くの税務調査に立ち会ってきた立場から、調査が入る時期の見分け方と、
コロナ後に大きく変わった最近の調査の傾向、
そして調査で絶対にやってはいけないことをお話しします解説します。

税務調査には「シーズン」がある

まず大前提として、税務調査には入りやすい季節があります。

個人事業主の方は、夏から秋にかけてが中心です。
確定申告が終わってすぐに調査へ動くことはほぼなく、
半年ほど期間を置いて申告内容をじっくり精査してから動くからです。

逆に、冬は確定申告のシーズンで税務署自体が忙しく、調査はほとんど行われません。

法人の場合は、決算月によって調査時期がおおよそ決まってきます。下の表を目安にしてください。

決算月/事業形態調査が入りやすい時期
6月決算 〜 1月決算(法人)春(3月下旬〜6月頭ごろ)
2月決算 〜 5月決算(法人)夏〜年末(8月〜12月ごろ)
個人事業主夏〜秋

自分の決算月を見れば「うちはだいたいこのあたりに来やすい」という目安が立ちます。

「シーズン外」の調査こそ危険なサイン

ここが今日いちばんお伝えしたいポイントです。

たとえば、本来なら夏から年末にかけて調査が来るはずの2月〜5月決算の会社に、
春の調査が来たとしたら。

これは通常のパターンから外れたイレギュラーなケースです。

個人事業主の方も同じで、本来のシーズンは夏〜秋。
それなのに、まったく違う時期に突然連絡が来たとしたら、
やはり“いつものパターン”とは違います。

こうした「シーズン外」の調査は、税務署が何となく順番で選んだものではなく、
すでに何らかの証拠をつかんだうえで動いている可能性が高いと考えておいたほうがよいでしょう。

心当たりがまったくなければ過度に恐れる必要はありませんが、
「なぜこの時期に?」という違和感は、一つの目安として覚えておいてください。

コロナ後、税務調査の「やり方」はこう変わった

ここ数年、調査のやり方そのものが大きく様変わりしています。

1. 帳簿は「データ」で持ち帰られる時代に

以前は、請求書・領収書と総勘定元帳(1年間の取引を記録した帳簿)を突き合わせ、
気になる部分だけコピーを取って持ち帰るのが一般的でした。
それが今では、USBにデータで提供してほしいと求められるようになっています。
「調査後に必ず破棄します」と言われると、なかなか断る理由が見つかりません。
データで持ち帰れば税務署に戻ってからソフトで一気に確認でき、
調査官にとっては格段に効率的になりました。

2. ホームページだけでなく「SNS」まで見られる

かつては会社のホームページが中心でしたが、今はSNSの時代。
会社のアカウントだけでなく、個人のアカウント、
場合によっては家族のアカウントまで見られることがあります。

調査で最も問題になるのは「経費か、プライベートか」の線引きです。
たとえば「研修旅行」として経費計上していても、
同じ日付にSNSへ海辺の写真が上がっていれば、説明を求められても無理はありません。

3. ホームページの「実績」と帳簿の突き合わせ

信頼性アピールのために掲載した実績が、
きちんと売上として計上されているかを確認されることもあります。
実績を“盛って”いる場合は計上漏れを疑われかねません。
金額がずれているなら、請求書や領収書の控えなど、本当の金額を示す証拠が必要になります。

4. 無申告者・税理士なしの事業者への調査が増加

副業・個人事業・投資などで収益を得ながら申告していない無申告者への調査が増えています。
また、申告していても税理士がついていない事業者への調査も目立ちます。

5. 海外の入出金はチェックされている

国税は海外からの入金・出金を確認しています。
海外との入出金があると調査対象に選ばれやすくなる傾向があるため、
心当たりのある方は注意しておきましょう。

6. 「何かをつかんでから」調査に来るケースが増えた

以前は調査に入ってからヒアリングや資料をもとに調べるスタイルが主流でしたが、
最近はあらかじめ何かをつかんだうえで調査に入るケースが増えています。

最初は普通にヒアリングをしていても、途中で「実は、こういうことはありませんでしたか?」と、
ほかから出てきた資料を示される。

そんな展開も少なくありません。

ただし、調査が来たからといって必ずしも“クロ”というわけではなく、
正当な理由をきちんと説明できれば解決することもよくあります。

調査で絶対にやってはいけないこと

嘘は絶対につかない

調査官は、何かをつかんでいても、あえて知らないふりをして質問してくることがあります。
「やっていませんよね?」と否定した後に証拠を出されると、
わざと嘘をついたことになってしまいます。
うっかりの申告漏れは、間違いを間違いとして認めれば重い処分にはつながりにくいもの。
しかし“わざと嘘をついた”と判断されると重加算税の対象になりかねません。
話しすぎず、嘘だけは絶対につかないことが大切です。

安易に「サイン」しない

調査の最後に、調査の概要をまとめた書面へのサインを求められることがあります。
その内容によっては、サインが“不正を認めた”という意味になってしまう場合もあります。
特に問題ないか、内容をよく確認してから対応してください。

まとめ

  • 法人は決算月、個人事業主は夏〜秋という「調査シーズン」がある
  • シーズン外の調査は、証拠をつかまれているサインの可能性が高い
  • データ持ち帰り・SNSチェック・実績との突き合わせ・無申告者や海外入出金への目配りなど、
    手法が高度化している
  • いちばん大切なのは「嘘をつかないこと」。間違いは正直に認め、安易なサインは避ける

何も問題がなければ、調査を過度に恐れる必要はありません。
ただ、人間である以上ミスはつきもの。
日頃から整えておくこと、そしていざというときに正しく対応することが、結果的にあなたを守ります。

相談フォームはこちら(スマホで簡単入力)▼▼

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: banner_entry.png

※ご相談内容に「税務調査」とご記入いただけるとスムーズです。