【高知】「借りた覚えが、ないんですが」― 決算書の知らない数字と、会社と個人の線引き

2026/11/06 経営
経営相談シリーズ vol.15 決算書に、知らない数字。

先日の個別相談でのことです。

決算書を見ながら、社長がこうおっしゃいました。

高知で社長のご相談を受けていると、同じような場面によく出会います。

「借りた覚えが、ないんですが」

目に留まっていたのは、社長個人への貸付金でした。金額が、社長の記憶の倍近くあります。

不正があったわけではない

こう書くと、誰かがごまかしたように読めるかもしれません。そうではありませんでした。

会社のお金と、社長個人のお金が混ざっていただけです。

よくあるのは、この3つ

  • 個人の名義で買ったものを、会社が払っている
  • 社長が立て替えたお金が、精算されないまま残っている
  • 個人の支払いを、いったん会社の口座から出した

1回ずつは、小さな金額です。けれど、これが何年も積み上がると、決算書の上では大きな数字になります。

そして厄介なことに、どれも悪意なく起きます。忙しい会社ほど、「あとで精算しよう」が積み上がっていきます。

気づけないのは、年に1回しか見ないから

このとき問題なのは、金額よりも、気づけなかったことのほうです。

決算が年に1回だけだと、分かるのは1年後になります。その間も、数字は動き続けます。

1年前の支払いについて「これは何でしたか」と聞かれても、思い出せません。領収書を探すところから始まります。

月に1回見るだけで、変わる

月次で数字を見ていれば、翌月には気づけます。

翌月なら、記憶も残っています。精算も、まだ間に合います。

同じ金額でも、気づくのが1か月後か1年後かで、打てる手がまったく変わります。

まず、1枚に書き出す

その場でお伝えしたのは、難しいことではありません。

まず、全部を1枚に書き出しましょう。

何があるか。いくら残っているか。そして、誰の名義になっているか。

名義まで書くのが大事

ここが抜けると、整理になりません。

  • 会社のものだと思っていた車が、個人名義だった
  • 個人で借りたつもりの借入が、会社の決算書に載っていた
  • 会社が払っているのに、資産として計上されていなかった

名義と、実際に払っている人が食い違っていると、税務上の扱いも変わります。あとから直すほど、手間も負担も増えます。

1枚にすると、話が早くなります。この相談でも、どこから直すかがその場で決まりました。

おわりに

決算書は、税務署に出すための書類ではありません。

社長が、自分の会社の状態を確かめるための健康診断の結果です。

健康診断は、結果を見ないと意味がありません。数字が出てから1年後に見るのでは、治療のタイミングを逃します。

貴社の決算書に、心当たりのない数字はないでしょうか。

高知でこうしたお悩みがある社長は、30分の無料相談でもお話を伺います。

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