「会社を続けること」が目的になった経営者は、二流である

「何のために経営をしているのですか」
そう問われたとき、あなたは何と答えるでしょうか。
「会社を存続させるため」
「従業員とその家族を守るため」
多くの社長が、こう答えます。一見すると、とても立派で、責任感のある答えに聞こえます。
けれど、ある経営論の話を聞いていて、私はハッとしました。
存続そのものが目的になった時点で、その経営は二流に落ちる、というのです。
「続けること」は、手段でしかない
考えてみれば、当たり前の話です。
会社を続けることは、あくまで手段であって、目的ではありません。
本当に問われているのは、その事業を通じて「何を成し遂げたいのか」という一点です。
ところが、日々の資金繰りや目先の数字に追われるうちに、
いつの間にか手段と目的が入れ替わってしまう。
「潰さないこと」が最優先になり、「何のために」がすっぽり抜け落ちる。
旗印が「存続」になった会社は、守りに入り、少しずつ生気を失っていきます。
顧客に対して独自の価値を生み出し、その対価をきちんといただく。
事業とは本来、そういう営みのはずです。
存続は、その結果としてついてくるものであって、掲げるべき旗ではありません。
もう一つの顔は、「言い訳」
二流経営者には、もう一つ分かりやすい特徴があります。
うまくいかない理由を、自分の外に探しに行くことです。
「円安が」「原材料が」「時代が悪い」。
環境のせいにした瞬間、その経営者は、経済の主体を担う人ではなくなります。
本来は自分の判断と責任の領域である問題を、
あたかもマクロ環境のせいであるかのようにすり替えてしまう。
ありもしない外部要因という「幻」を追いかけているあいだ、目の前の現実からは、
そっと目をそらしているのです。
厳しい言い方をすれば、円安を理由に「もうダメだ」と口にした瞬間から、
その会社は本当に沈み始めます。
環境は、いつの時代も、良くも悪くもすべての企業に等しく降りかかります。
同じ環境の中で伸びる会社と沈む会社を分けているのは、環境ではなく、経営者自身です。
潮が引けば、本物と偽物が分かれる
「潮が引いた後で、誰が裸で泳いでいたかが分かる」という有名な言葉があります。
追い風が吹いているあいだは、誰もが立派な経営者に見えます。
けれど、環境が反転し、潮が引いたとき
そこで初めて、本物と偽物がくっきりと分かれます。
そして、過去に自分が口にした言葉は、もう変えられない事実として残り続けます。
経営が一流か二流かは、実は決算書よりも先に、日頃の「口ぐせ」に表れているのかもしれません。
自らに問う
だからこそ、時々、自分自身に問い直してみたいのです。
会社を「守ること」が、いつの間にか旗印になっていないか。
うまくいかない理由を、環境のせいにしていないか。
そして、その事業を通じて何を成し遂げたいのかを、迷わずまっすぐに言えるか。
あなたは今、二流の経営者になっていませんか。
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