「時給1,500円時代」に、笑っていられる会社の条件

2026/07/29 経営

賃上げは、脅威ではなく”ふるい”です

先日の新聞に、こんな見出しが載っていました。

「最賃55円上げ 1176円」

2026年度の最低賃金は、全国平均で時給1176円。
昨年度の1121円から、55円の引き上げです。

そして国が掲げている目標は、全国平均1500円
達成時期は「2030年代前半のできる限り早期に」とされています。

1121円 → 1500円。 ざっと1.3倍です。

これは、パートさんの時給の話ではありません

「うちは最低賃金ギリギリで雇っていないから、関係ない」
そう思われた経営者の方こそ、少しだけ続きを読んでください。

最低賃金が上がるということは、賃金相場そのものが上がるということです。
下が上がれば、その上も引き上げざるを得ない。人が採れなくなるからです。

国税庁が公表している平均年収は、478万円

この水準の会社で、賃金が1.3倍になったとしたら。

  • ひとりあたり、年間約150万円の増加
  • 社員が10人いれば、年間1500万円

来年いきなり、という話ではありません。
しかし、確実にその方向へ進んでいます。

では、その1500万円を、どこから出すのでしょうか。

「これ以上人件費が上がったら、きつい」の正体

先日、ある経営者の方がこうおっしゃっていました。

「これ以上人件費が上がったら、きつい」

お気持ちは、痛いほどわかります。

ただ、ここで大事なことをお伝えさせてください。
きついのは、賃上げのせいではありません。
その1500万円を吸収できない事業モデルのまま、2030年代に向かっていること。
そちらのほうが、はるかにこわい。

値上げでしのぐ。
人を減らす。
役員報酬を削る。

どれも一時的には効きますが、構造は何も変わっていません。

必要なのは、高収益体質の事業モデルへの転換です。

高収益体質へ、3つの転換

① 物価高騰と賃上げを、価格に転嫁する

ここで大切なのは、「一回きりの値上げ」で終わらせないことです。
原価が上がった、人件費が上がった。
そのたびに社長が胃を痛めながら決断する——では続きません。

どういう条件で、いつ、どれだけ価格を見直すのか。
これを仕組みとして設計しておく。値上げを、イベントではなくルールにするのです。

② 薄利多売から脱却する

たくさん売って、たくさん働いて、少ししか残らない。

このモデルは、人件費が上がった瞬間に息が止まります。
売上が伸びるほど人手が必要になり、その人手のコストが上がり続けるからです。

売上規模ではなく、一件あたりにいくら残るか。 見るべき数字を、そこに切り替えます。

③ 厚利少売へシフトする

単価を上げて、数を絞り、しっかり残す。

このモデルに移行できた会社にとって、賃上げは脅威ではありません。
「払える」に変わります。

同じ売上でも、手元に残る金額がまるで違う会社があります。
分かれ目は、がんばりの量ではなく、モデルそのものです。

「あの人がいないと回らない会社」が、一番危ない

もうひとつ、お伝えしたいことがあります。

人に頼って、たくさん売って、薄く残す会社ほど、賃上げに耐えられません。

特定の誰かの経験と勘で回っている会社は、
仕事を増やそうとすれば人を増やすしかない。

つまり、属人的であるほど労働集約になり、
労働集約であるほど薄利多売から抜けられない構造になっています。

高収益体質への転換と、属人性からの脱却。
この2つは、まったく別のテーマに見えて、実は同じ根を持っています。

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おかげさまで、9月まで満席となりました。

賃上げは、脅威ではなく”ふるい”です。
体質を変えた会社だけが、胸を張って払える側に回れます。

あなたの会社は、時給1500円の時代でも笑っていられますか。

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