「うちの病院、倒産しないですよね?」~財務諸表から病院のお金事情を読み解こう~

2026/07/23 開業医・医療法人

経営の数字は、現場の自分とは無関係?

「経営の話は、現場の自分には関係ない」。
そう感じている方は少なくないかもしれません。
でも、経営の数字は、実は私たち一人ひとりの仕事が積み重なった結果そのものです。
今日は、その数字を映し出す「財務諸表」を、家計簿にたとえながらのぞいてみましょう。

財務諸表は大きく3つ。
お金の「今ある状態」を表す貸借対照表、
1年間の「もうけ」を表す損益計算書、
そして「お金の流れ」を表すキャッシュフロー計算書です。

難しそうに見えますが、それぞれ何がわかるかだけ押さえれば十分です。

貸借対照表でわかる「病院の体力」

貸借対照表からは、病院がどれだけの資産を、どれだけ借入に頼って用意しているかが見えます。
資産のうち自前でまかなえている割合を「自己資本比率」と呼び、いわば病院の体力を示す数字です。
多くの病院、とりわけ公立病院はこの比率が低く、借入に支えられて運営されているのが実情です。

損益計算書でわかる「現場に直結する数字」

損益計算書からは、1年で黒字か赤字かがわかります。なかでも現場に直結するのが人件費率と材料費率。
たとえば材料の無駄を少し減らすだけでも、積み重なれば大きな金額になります。

倒産を左右するのはキャッシュフロー

そして倒産するかどうかを左右するのが、キャッシュフロー計算書です。
倒産とは、現金が尽きて支払いができなくなる状態のこと。
だから帳簿上は赤字が続いても、資金が回り続ければ潰れませんし、
補助金に支えられる公立病院が生き残るのもこのためです。

大切なのは「会計士になること」ではない

お伝えしたいのは、会計士になる必要はない、ということ。
ただ数字が少し読めるようになるだけで、自分の毎日の仕事が経営とつながっていると見えてきます。

在庫を抱えすぎない、節電を心がける。

そんな小さな配慮の積み重ねが、患者さんのためにも、
私たち自身のためにも、確かな力になります。できることから始めてみませんか。

ちなみに、自分の病院の財務諸表は、公立病院ならホームページなどで公開されていることも多いもの。
興味のある方は、一度のぞいてみてください。

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