5年後の数字、部門長は知っていますか ― 上から落とす数字と、下から積む数字

2026/10/24 経営

先日の個別相談でのことです。5か年計画をつくった社長から、こんな話がありました。

「この数字に、本当にたどり着くのかなと」

今回は、この相談から見えた「5年後の数字を、誰と共有するか」についてお伝えします。

「上げても上げても、食われる」

人が足りない、コストは上がる

人が足りない。コストは上がり続ける。

値上げをお願いしても、上がった分は、すぐ経費に食われていく。

「上げても上げても、食われるんです」

正直、業界に絶望感を覚えるときもある。社長は、そう話されていました。

それでも、社内はよく回っていた

ところが、話を聞いていくと、社内はよく回っていました。

毎週月曜に、部門長との会議がある。数字がズレたら、その場で埋め方を決める。

会議の回数を増やしてから、部門長の動きが変わりました。新しい仕事も、取れるようになってきたそうです。

ちゃんと、手は打たれている。では、何が足りないのか。

部門長が知っているのは「今年の予算」だけ

話しているうちに、社長ご自身が気づかれました。

「そういえば、5年後に会社がどこを目指すのか、部門長にはまだ伝えていないですね」

部門長が知っているのは、今年の予算だけ。実は、これはとても多いケースです。

今年の予算だけでは、去年の延長になる

今年の予算だけを渡されると、人は、今年のやり方の延長で考えます。

去年の数字に、少し足す。それ以上の案は、出てきません。

5年後を見せると、新しい打ち手が出る

5年後の姿を先に見せると、「今のやり方のままでは届かない」ことが見えます。

そこではじめて、新しい打ち手が出てくるのです。

5年後を見せてはじめて、今年のやり方が変わる。

5年後の数字を、部門に渡す4つの手順

順番は、次のとおりです。

  1. 5年後の行き先を決める(社長の仕事)
  2. その数字を、部門に渡す
  3. 部門が積み上げて、予算をつくる
  4. 差が出たら、埋め方を一緒に考える

上から落とすだけでも、下から積むだけでも、足りません。

大事なのは、その2つをぶつけ合わせることです。

おわりに

相談の最後に、社長はこう言われました。

「自分だけだと、限界があると感じました」

社長が一人で数字を抱えているうちは、会社は、社長の速さでしか進みません。

貴社の部門長は、5年後の数字を言えるでしょうか。

言えないとしたら、まずは5年後の行き先を、部門長に伝えるところからです。

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