「成功は運だ」と言い切る人が、実は見ているもの―ホリエモンの「桃太郎理論」と、チャンスの拾い方

先日、実業家の堀江貴文さん――いわゆるホリエモンが語っていた話が、妙に心に残っています。
「成功の要因は何ですか」と聞かれるたびに、彼はいつも「運だよ」と答えるのだそうです。
一見、身も蓋もない答えに聞こえます。ですが、その先を聞いて、私は考え込んでしまいました。
彼はその「運」の正体を、昔話になぞらえて「桃太郎理論」と呼んでいたのです。
桃は、みんなの前を流れている
桃太郎の物語を思い出してみてください。
おばあさんが川で洗濯をしていると、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな桃が流れてきます。
私たちは幼い頃から当たり前のように聞いてきますが、冷静に考えると、これはかなり奇妙な行動です。
得体の知れない、やたらと大きな桃です。普通の人なら、気味が悪くて手を出しません。
ところが、おばあさんはそれを拾い上げ、家に持ち帰り、包丁で割ってしまう。
堀江さんは、この「拾って、割る」という行動こそが、チャンスの本質だと言います。
大事なのは、ここからです。チャンスという名の桃は、
実は特別な人のところだけに流れてくるわけではありません。
多くの人の目の前を、一生のうちに何度も、何度も流れているのです。
にもかかわらず、ほとんどの人は拾いません。
「大きすぎて怖い」「今はそのタイミングではない」「自分には関係ない」。
そう言って、流れていくのをただ見送ってしまう。
同じ川べりに立っていても、拾うのは、いつも少しだけ「変わった人」なのです。
私自身が、拾ってきた桃
偉そうに書いていますが、これは他人事ではありません。
自分のこれまでを振り返ると、人生の節目は、どれも「流れてきた桃を、思い切って拾った瞬間」でした。
高校生のとき、まわりが誰も手を挙げないなかで、海外留学に飛び込みました。
パナソニックに勤めていた頃には、海外法人のCFOという大役の話が来て、
迷いながらも「やります」と即答し、実際にやり切りました。
そして、縁もゆかりもなかった高知県への移住を決め、昨年は独立に踏み切りました。
どれも、周囲から見れば「なぜそんな選択を」と思われるものばかりだったと思います。
正直に申し上げれば、拾ったものの、うまく割れなかった桃もあります。
それでも、はっきり言えることがあります。
あのとき桃を見送っていたら、今の自分はいなかった、ということです。
運の正体とは、才能でも情報量でもなく、目の前を流れる桃に手を伸ばす「拾う勇気」なのではないか。
そう考えるようになりました。
経営の現場にも、桃は流れている
これは、経営においてもまったく同じだと感じています。
AIの活用、新しい仕組み、これまで手をつけてこなかった市場。
多くの経営者の目の前を、今まさに「桃」が流れています。
しかも、その桃が見えていない社長は、実はほとんどいません。
見えてはいるのです。ただ、「まだ早い」「うちには関係ない」と言って、拾わないだけなのです。
そして、誰かが見送ったその桃を、別の誰かが拾い上げ、割り、時間をかけて桃太郎に育てていきます。
数年後に「あの会社は運が良かった」と語られる差は、多くの場合、才能の差ではなく、
あの日、桃を拾ったか見送ったかの差だったりします。
もちろん、やみくもに何でも拾えばよいわけではありません。
自社にとってどれが本物の桃で、どれが見送ってよい桃なのか。
それを見極めるには、目の前の業務に追われたままでは難しく、
一度立ち止まって、事業の中身と向き合う時間が必要です。
あなたの目の前を、今どんな桃が流れていますか
一度、静かに考えてみてください。
この一年、あなたの目の前を流れていった「桃」は、何だったでしょうか。
そして、それを拾いましたか。それとも、見送ったでしょうか。
もし「拾いたいけれど、これが本物か分からない」
「拾うだけの余力が、今の会社にあるか不安だ」と感じたのなら、
それは決して力不足ではありません。
拾うべき桃と、そのための体制を、一緒に見極めればよいだけのことです。
私の経営相談では、そうした「拾うべきチャンスの見極め方」も含めて、
貴社の現状を一緒に整理していきます。
同じ迷いも、言葉にして話すだけで、驚くほど頭がすっきりするものです。
気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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