補助金で得をするのは、“地図”がある会社だけ ~採用の補助金を使う前に、整えておきたい経営戦略の話~

2026/07/02 経営

「補助金、出るらしいですよ」その一言に、私がすぐ頷かなかった理由

先日、あるお客様が少し嬉しそうに教えてくださいました。
「採用に関する補助金、出るらしいんですよ!」と。

たしかに、出ます。
高知県だけでなく、今は全国のさまざまな自治体で、採用に関する補助金・助成金が用意されています。

「補助金」と聞くと、つい「ラッキー、使わなきゃ」と飛びつきたくなる。
その気持ちは、とてもよく分かります。
私自身、お客様に補助金の活用をご提案することもあります。
ハマれば、非常に効果の大きい打ち手だからです。

ただし ― それは「順番」が正しければ、の話です。

補助金は、あくまで「手段(戦術)」

求人広告への出稿、合同説明会への参加、採用管理システムの導入、採用ホームページの改修。
補助金の対象になるこれらは、すべて「やり方=戦術」です。

実は私は、自分のセミナーで「補助金“だけ”を目指す」ことを、
“ざんねんな経営スタンス”の一つとして挙げています。
補助金そのものを否定しているわけではありません。
危ういのは、会社の方向性(戦略)が定まらないまま、手段に飛びついてしまうことです。

戦略の失敗は、戦術では取り返せない

戦略とは、会社の方向性を決めるもの。
これは、経営者にしか決められない仕事です。

戦略(社長)のミスは、戦術(社員)ではカバーできません。
「戦略の失敗は、戦術で補うことはできない」― 経営の世界で、古くから言われてきた言葉です。

どれだけ補助金を使って良い人材を採用できても、「自社はどこで勝つのか」が定まっていなければ、
コストを効率よく投じて、効率よく迷子になるだけ。それが一番もったいない使い方です。

“地図”がある会社にとって、補助金は最高の追い風

逆に言えば、進むべき方向の“地図”が描けている会社にとって、補助金はこの上ない追い風になります。

私がお客様に補助金をご提案するのも、その地図をご一緒に描いた“あと”だからこそ。
順番さえ正しければ、補助金は「得をする武器」に変わります。

まず描くべきは、3年後・5年後の“地図”

最初に取り組むべきは、手段選びではなく、経営改革ロードマップの作成です。

どこで勝ち、どう人を増やし、どんな会社になっていくのか。
3年後・5年後を見据えたその地図が描けて初めて、
採用も、補助金も、意味のある投資に変わります。

手段から入らない。あり方と勝ち方を、先に決める。
それが、遠回りに見えて一番の近道です。

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