【経営参謀ラジオ #032】「現状維持は衰退」の時代に、経営者が本当に考えるべきこと

2026/06/29 ポッドキャスト

ポッドキャスト「経営参謀ラジオ」の収録で、
人口減少時代をどう勝ち抜くかというテーマを取り上げました。

今回はその内容を、解説します。

「現状維持=衰退」の負のスパイラル

いま多くの中小企業が、放っておくと衰退していく構造の中に置かれています。
市場そのものが縮小し、これまでの「薄利多売」モデルが成立しにくくなっている。
採用は年々難しくなり、選ばれる理由のない会社からは人が離れていく。
さらに社会保険料の負担増や最低賃金の上昇が、利益を内側から圧迫していきます。

つまり、特に大きな失敗をしていなくても、同じことを同じように続けているだけで、
相対的にじりじりと体力を削られていく。これが「現状維持は衰退」という言葉の正体です。

では、どう手を打つのか。

勝ち抜くための「経営改革ロードマップ」を4つのステップを紹介します。

ステップ1〜2:事業を「再設計」し、選ばれる理由をつくる

最初にやるべきは、1年後ではなく3〜5年先を見据えた事業の再設計です。
市場・競合・自社という3つの視点から、自社の強みがどこにあるのかを定義し直す。
今ある商品やサービスのうち、これから伸びるものと、役割を終えていくものを冷静に見極めていきます。

そのうえで向かうのが、高付加価値・高収益モデルへの転換です。
人口が増え市場が伸びていた時代は、安くてもたくさん売れば成立しました。

しかしこれからは「選ばれない限り売れない」時代です。
量を追うのではなく、単価と粗利を最大化する。
「なぜ、ほかではなく自社なのか」という選ばれる理由を、きちんと言語化して構築していく必要があります。

ステップ3:AIで「作業」を手放し、人にしかできない仕事に集中する

ここからが、今回いちばんお伝えしたかった部分です。

正直に告白すると、私はAIを使っていて、一瞬ゾッとした経験があります。
打ち合わせの録音データを渡せば、数分で議事録ができあがる。
前回の議事録と資料を渡せば、会議のアジェンダまで組んでくれる。
これまで自分が時間をかけてやってきた作業が、
どんどんAIに巻き取られていくのを目の当たりにしたからです。

税理士である私自身が、「この作業、もう自分がやらなくてもいいのか」と感じた瞬間でした。

しかし、よく考えてみると、消えていくのはあくまで「作業」です。
議事録づくり、資料づくり、その手前の手間。
ここはむしろAIに任せたほうが、速く、精度も高い。問題は、その先にあります。

データを見て「では、次にどう動くべきか」を一緒に考えること。
数字の裏で何が起きているかを読み解き、次の一手を提案すること。
ここはAIには代われませんし、むしろこれまでの経験がそのまま効いてくる領域です。
作業から解放されたぶん、以前よりも速く、精度の高い提案ができるようになる。

AIに使われる側になるのか、AIを使って自分にしかできない仕事に集中するのか。
これは税理士に限らず、すべての経営者・専門家に共通する分かれ道だと考えています。

ステップ4:撤退基準を決め、スピードで経営する

最後に、儲かる事業と儲からない事業を見極め、撤退の基準をあらかじめ決めておくことです。
思い入れや過去の経緯で残してしまいがちな事業ほど、基準がないとずるずると残り続けます。
投資の段階で撤退ラインを決めておく。
そして成長分野に資源を集中させ、経営のスピードそのものを上げていく。
変化の大きい時代だからこそ、定期的にロードマップを見直す姿勢が欠かせません。

おわりに

人口減少という大きな流れは、一社の努力で変えられるものではありません。
しかし、その中で「現状維持=衰退」から抜け出し、勝ち抜くための設計図を描くことはできます。
売上一辺倒ではなく、利益から逆算して経営を設計していく。
その第一歩を、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

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