節税のやりすぎは融資の足かせに!?銀行が評価する「利益と税金」の黄金バランス
「税金は1円でも払いたくない!」 多くの経営者がそう考え、
期末が近づくと利益を圧縮するために慌てて節税策に走ります。
しかし、もしあなたの会社がこれから銀行融資を受けたい
(資金調達を優先したい)と考えているなら、
その「過度な節税」は命取りになる可能性があります。
今回は、銀行の審査目線から見た「適切な利益計上と納税」の重要性について解説します。
1. 銀行が融資審査で重視する「債務償還年数」とは?
銀行は融資の審査において、
「この会社は貸したお金を何年で返せる能力があるか」という
「債務償還年数」という指標を非常に重視します。
銀行の審査基準において、借入金を返済するための原資(元手)となるのは
「税引後利益 + 減価償却費」です。
債務償還年数は、実質的な借入金(総借入から現預金や運転資金を引いたもの)を、
この「利益+減価償却費」で割って計算されます。
一般的に、この年数が10年以内(銀行によっては15〜20年程度)
に収まることが融資の目安とされています。
つまり、節税のやりすぎで利益を極端に圧縮し、ゼロや赤字にしてしまうと、
計算上「返済能力がない(返すのに何十年もかかる)」と判定され、
融資が受けられなくなってしまうのです。
2. 「高額な節税商品」が資金繰りを破壊する
節税のために、航空機リースやアメリカ不動産、
あるいは高額な生命保険といった商品に数千万〜数億円を投じるケースがあります。
確かにこれらを使えば利益を圧縮し、
目先の税金を減らす(正しくは将来へ繰り延べる)ことができます。
しかし、多額のキャッシュが社外へ流出するため、手元の資金繰りは一気に苦しくなります。
皮肉なことに、融資の際に銀行自身が手数料稼ぎの目的で
こうした節税商品を勧めてくることもあります。
しかし、手元資金を減らしてまで節税商品を買い、
利益を消してしまうことは、会社を強くするどころか、首を絞める行為になりかねません。
3. 「適度な納税」は信用を買うためのコスト
融資を受けて事業を拡大したいフェーズにある会社にとって、
最大の武器は「適度に税金を払い、しっかりと最終利益を残すこと」です。
利益を出して税金を払えば、残った利益は「純資産(自己資本)」
として決算書に蓄積されていきます。
純資産が厚い会社は、銀行から「倒産リスクが低い超優良企業」と評価され、
さらに好条件での融資を引き出すことが可能になります。
まとめ
目先の数百万の税金をケチるために、
数千万、数億円の融資を引き出すチャンスを逃すのは本末転倒です。
支払う税金は「銀行からの信用をお金で買うためのコスト」と割り切り、
資金調達と事業成長を最優先にした決算書づくりを心がけましょう。
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