倒産は「資金が尽きた日」ではなく、「まだ大丈夫」と思った日から始まる

2026/05/09 経営

2025年度倒産1万425件から考える、数字を読める経営者の条件

倒産は、ある日突然起きるものではありません。
銀行口座の残高がゼロになった日から始まるわけでもありません。

本当の倒産は、経営者が
「まだ大丈夫」
と思い、危険信号を見過ごした日から始まっています。

2026年4月、帝国データバンクが発表した2025年度の全国企業倒産集計では、
倒産件数は1万425件となりました。

前年度から3.5%増加し、4年連続で前年度を上回り、2年連続で1万件を超えています。

一方で、負債総額は1兆5,537億円で、前年度比31.0%減少しました。

ここで注目すべきなのは、
倒産件数は増えているのに、負債総額は減っている
という点です。

これは、大企業の大型倒産が増えているというよりも、
中小企業・小規模事業者の倒産が増えている
という構造変化を示しています。

実際、負債1億円未満の倒産が全体の76.5%を占め、
5,000万円未満の倒産は2000年度以降で最多となっています。

地方の小規模事業者が、表に大きく報じられることなく、静かに退場しているのです。

倒産理由は「物価高」から「人」の問題へ

倒産の背景も変化しています。

物価高倒産は963件と過去最多。
後継者難倒産は533件で、3年連続500件超え。
さらに、そのうち「経営者の病気・死亡」が45.2%を占めています。

これは、単なる業績不振ではありません。

中小企業では、経営者個人の健康・判断力・後継体制が、
そのまま会社の存続リスクになっているということです。

加えて、最低賃金は2020年から2025年の5年間で902円から1,121円へ上昇。
人件費の上昇に耐えられない会社から、資金繰りが悪化していく構図も強まっています。

AIは予兆を見つける。しかし、意思決定はできない

今はAIによって、倒産の予兆をかなり早い段階で見つけられる時代です。

たとえば、AIは次のようなことができます。

  • 月次PL・資金繰りの異常検知
  • 業界平均との比較
  • キャッシュアウト時期の予測
  • 倒産予兆スコアの算出

実際、帝国データバンクも倒産予測に関するサービスを提供しています。
つまり、数字上の危険信号は見える時代になっています。

しかし、AIにはできないことがあります。

それは、「いつ、どの選択肢を取るか」を決めることです。

追加融資を受けるのか。
リスケを依頼するのか。
事業再生に踏み切るのか。
不採算事業を撤退するのか。

この判断は、経営者の仕事です。

AIは選択肢を並べることはできます。
しかし、その会社にとっての最適な意思決定まではできません。

倒産は「資金が尽きる前」に始まっている

倒産は、資金が尽きた瞬間に始まるのではありません。

本当はその前に、
数字を読み違える
危険信号を見落とす
判断を先送りする
ところから始まっています。

資金ショートは、最後に表面化する結果です。

だからこそ経営者に必要なのは、単に数字を見ることではありません。

数字を読み解き、
危機を察知し、
打ち手を決め、
実行に移すことです。

まとめ

AIで予兆は見える。
しかし、動くタイミングを決めるのは経営者です。

AIは数字を計算する。
しかし、数字に責任を持つのは人間です。

2026年は、中小企業にとって
倒産リスクが高まる年であると同時に、
資金調達や事業再生の選択肢が広がる年でもあります。

その分かれ道になるのは、経営者が自社の数字を読めるかどうか。
そして、数字をもとに早く動けるかどうかです。

会社を守るために必要なのは、きれいな決算書だけではありません。

必要なのは、
早く気づき、早く決め、早く動くための数字
です。

サンブレイン税理士事務所では、税務申告だけでなく、
経営者が数字をもとに次の一手を判断できるよう、
社外CFOの視点で財務・資金繰り・経営改善を支援しています。

【参考・出所】
帝国データバンク「全国企業倒産集計 2025年度報」
https://www.tdb.co.jp/report/bankruptcy/aggregation/20260408-bankruptfy2025/

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