【経営参謀ラジオ #026】AIで馬の脱走を検知し、社員が自ら動く組織をつくる—四国情報管理センター・中城社長(後編)
「AIで馬の脱走を検知する」
一見荒唐無稽に聞こえるこのプロジェクトが、
地方IT企業の可能性と社員育成の本質を教えてくれます。
高知市の中小企業に社外CFOとして伴走するサンブレイン税理士事務所のバイ(馬醫)が、
経営参謀ラジオ第26回でも四国情報管理センター代表・中城一社長をお迎えします。
ビジネスモデルの大転換・AI活用による社会課題解決・稲盛哲学を応用した独自の管理会計まで、
地方ITカンパニーの経営の全貌に迫ります。
「売り切り」から「毎月課金」へ—ビジネスモデルの大転換
2013年に社長就任した中城社長が最初に直面したのは、収益の不安定さでした。
システム構築という大型案件が取れた年は好調でも、保守フェーズに入ると収益が激減する。
毎年スタートラインがゼロに戻るような経営から抜け出すために選んだのが、
サブスクリプション型への転換です。
自社データセンターを整備し、システムを売り切るのではなく
「止まらないサービスをずっと使い続けてもらう」というモデルへ。
最初は大きな投資をしながら月額数万円の収益を待つ構造に、
経営者として相当なプレッシャーがあったといいます。
しかし地元密着の顧客満足を高め続けることで解約リスクを最小化し、
積み上がるストック収益が安定経営の土台になりました。
夜、目を閉じると馬が見えるーAI放馬検知システム誕生の裏側
高知県から相談を受けたのは「競馬場の放馬問題」でした。調教中に馬が人の手を離れ、公道に出てしまうと馬が怪我をしたり最悪人身事故につながる深刻なリスクです。しかし馬にセンサーをつけることも、ゲートを厳重にすることも、現場の実情から難しい。
現場を訪れたチームが着目したのは、
防犯目的でつけられていた大量のカメラでした。
「このカメラに映った馬を、AIに認識させたら放馬を検知できないか?」
そこからプロジェクトが動き出します。
難関は馬の画像データの収集でした。
馬の写真は横からのものがほとんどで、
防犯カメラのような「斜め上からのアングル」の画像がほとんど存在しません。
ベトナムの子会社スタッフが数万枚の映像から手作業で馬の位置を囲み続けた結果、
「夜、目を閉じても馬が見える。
これが1番ハードな仕事です」と泣きを入れるほどの作業量になったといいます。
完成したシステムは「馬だけが映っている状態」をAIが検知した瞬間、
管理室のパトランプが回り、担当者が映像で最終確認してゲートを閉める仕組み。
答えがない社会課題に、現場を歩いて仮説を立て、泥臭く作り上げた。
これが地方ITカンパニーの底力です。
「答えのある仕事」だけでは人は育たない—ニュービジネスコンペの哲学
自治体・民間企業向けの業務システム開発は、法律に従い、
仕様書通りに正確に作ることが求められます。
これは大切な仕事ですが、社員が「答えのある問題を解く」だけに終始すると、
創造性や提案力が育ちません。
そこで中城社長が設けたのが「ニュービジネスコンペ」です。
全社員が業務と切り離した時間を確保し、
8つのプロジェクトチームに分かれて新しいテーマに取り組む。
上司の承認のもと、普段と全く違うメンバーと一緒に「答えのない問い」を考え、
半期に一度の競争で優劣をつけます。
最初は自主性が薄かった参加者も、
回を重ねるうちに「どうすれば自分が貢献できるか」
を考えて参加するように変わってきたといいます。
この姿勢が採用にも波及し、「新しいことに挑戦できる会社」というイメージを持って
入社・転職してくる人材が増えています。
稲盛哲学を自社流にアレンジ—「時間あたり利益」という管理指標
管理会計の話も興味深いものでした。
稲盛和夫氏のアメーバ経営を参考に、
「時間あたりの利益」という指標を自社向けにアレンジして導入しています。
各組織が生み出した粗利から経費を引き、それをどれだけの時間で処理したかを測る。
成熟した既存事業も、赤字前提の新規事業も、それぞれの目標水準を設けて管理します。
短期利益だけを追う評価になると新規事業への投資が敬遠されるため、
評価の仕組みもそこに偏らないよう設計しているとのことです。
「めちゃくちゃ働いて時給換算したら安い」という状態を避け、
効率的に価値を生み出すことを組織全体で意識する。
この姿勢がIT企業としての持続的な成長を支えています。
まとめ
コピー機販売から始まり54年。
ビジネスモデルをサブスク型に転換し、AIで社会課題を解決し、
全社員が新規事業に挑戦する組織文化をつくり上げた四国情報管理センター。
中城社長の経営の核心は「答えのないところに飛び込む勇気」と
「人が動きたくなる仕組み設計」にあります。
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