“業界1位”が負けるとき、何が起きているのか

先日、星野リゾートの星野佳路さんのインタビューを見ていて、
思わず手が止まりました。
テーマは「新しいライバルが出てきたとき、業界のリーダーは何をすべきか」。
普通に考えると、1位の会社は「うちにしかない強み」で差別化して、
他とは違う道を行く。
そんなイメージがありますよね。
ところが星野さんの答えは、まったく逆でした。
リーダーがやるべきは「差別化」ではない
星野さんいわく、リーダーが取るべき戦略はたった一つ。
新しいライバルが現れたら、その相手と「同じこと」を、誰よりも早くやる。
これを「改善同質化」と呼ぶそうです。
え、マネするの?と思いますよね。私も最初はそう思いました。
でも、理屈を聞くと納得しました。リーダーの仕事は、挑戦者に「差別化させない」こと。
相手が新しい手を打ってきたら、すかさず自分も同じ手を打つ。
すると挑戦者は、抜け出すスキがなくなる。
こわいのは、これを放置したときです。
小さな芽のうちに同じ土俵に立てば止められたものが、
「うちは1位だから大丈夫」と見て見ぬふりをしているうちに、
相手はもう止められない規模に育ってしまう。気づいたときには、1位が入れ替わっている。
星野さんは、こうも言っていました。
「リーダーが負けるのは、運が悪いからではなく、打つべき手を打たなかったときだけ」だと。
でも、私たちの多くは「1位」ではない
ここまで読んで、多くの経営者はこう思うはずです。
「いい話だけど、うちは業界1位じゃないしな」と。
実は、この話のいちばん大事な部分は、その先にあります。
星野さんは、差別化という戦略を取らなければいけないのは、
むしろ下から挑む「チャレンジャー」の方だ、とはっきり言っていました。
つまり、1位ではない私たち中小企業にとって、この話は「攻め方の説明書」なのです。
1位と同じことをしても、勝てません。だから、ズラす。
相手がやっていないところ、大手が本気になれない小さな市場、そこに自分の旗を立てる。
それがチャレンジャーの正しい戦い方です。
そして、忘れてはいけないこと
ただし、覚えておいてほしいことがあります。
あなたが小さく伸び始めると、上にいる相手は必ずマネをしてきます。
星野さんの言う「改善同化」を、今度はあなたが仕掛けられる側になるわけです。
だからこそ、勝負は「芽が小さいうちに、どれだけ速く走れるか」。
相手が本気で追いかけてくる前に、その分野で「この人に頼みたい」と思われる存在になりきってしまう。
見て見ぬふりをされている今こそ、いちばんのチャンスなのです。
大きな市場のてっぺんを取ろうとしなくていい。
自分で決めた小さな一区画で、まぎれもない1位になる。
そこでなら、星野さんの「リーダーの戦略」が、今度はあなたの味方になります。
あなたが1位になる場所は、どこにしますか。
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