医師の相続税対策|開業医・医療法人オーナーが知っておきたいこと

2026/07/30 開業医・医療法人

なぜ医師の相続には「特有の難しさ」があるのか

医師の相続は、一般のご家庭と比べて財産の中身が複雑になりやすいのが特徴です。
クリニックや医療機器、不動産といった事業に関わる資産が大きい一方で、
すぐに動かせる現預金は意外と少ない。そんなケースが少なくありません。
だからこそ、早めに全体像をつかんでおくことが、ご家族の安心につながります。

押さえておきたい4つのリスク

① クリニックの事業用資産が課税対象になる
開業医の方が個人で持つ事業用資産は、すべて相続税の対象です。

② 医療法人の持分も課税される
持分ありの医療法人をお持ちの場合、その出資持分も評価され、課税対象となります。
法人が成長しているほど評価額が高くなりやすい点に注意が必要です。

③ お子さま同士の不公平感
クリニックや法人を継ぐお子さまと、そうでないお子さま。
承継するお子さまに財産が偏りやすく、これが争いのもとになります。
最低限保障された取り分(遺留分)を巡るトラブルもよく見られます。

④ 中途半端な遺言
良かれと思って作った遺言が、かえって火種になることもあります。
遺留分まで考慮した設計が欠かせません。

相続後のスケジュールは意外とタイト

相続が起きると、期限のある手続きが次々と訪れます。
借入が多い場合の相続放棄は3か月以内、亡くなった年の所得税の準確定申告は4か月以内、
そして相続税の申告・納税は10か月以内です。

逆算すると、財産評価や分け方の話し合いに使える時間は限られています。
現預金が少ない場合、納税資金をどう用意するかを生前から考えておくと安心です。

「誰が」「いくら」受け取るかで税額は変わる

同じ財産でも、受け取り方しだいで税額は大きく動きます。
たとえば生命保険の受取人をどなたにするか、配偶者がどれくらい引き継ぐかによって、
最終的な負担は変わってきます。

特に配偶者に寄せすぎると、次の相続(二次相続)で思わぬ税負担が生じることもあるため、
シミュレーションのうえで分け方を決めることをおすすめします。

まとめ

医師の相続には、事業承継税制をはじめ使える制度もあります。
まずは「今相続が起きたらいくらかかるか」を試算し、早めに準備を始めること。
それが結果として、ご家族の負担とトラブルを減らす一番の近道です。
生前対策から申告まで、お気軽にご相談ください。

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