【経営参謀ラジオ #028】今日も日本のどこかで30社が倒産している—経営者を襲う「物価・賃上げ・人手不足」の三重苦と脱出ロードマップ
「今日、日本のどこかで30社が倒産した」
この事実を経営者として受け止めていますか?
高知市の中小企業に社外CFOとして伴走するサンブレイン税理士事務所のバイ(馬醫)が、
経営参謀ラジオ第28回で警鐘を鳴らします。
物価高騰・賃上げ・人手不足という三重苦が密接に絡み合い、
多くの中小企業を静かに追い詰めています。
この流れを食い止めるために、今から何をすべきかを解説します。
1日30社が倒産している現実
帝国データバンクが公表した2025年の倒産件数は1万425件。
2年連続で1万件を超えています。
月平均833件、1日あたり約30社が日本のどこかで事業を終えています。
バブル期ほどではないとはいえ、コロナ禍が落ち着いた後も倒産は増加傾向が続いています。
国の補助金・ゼロゼロ融資の終了、物価高騰の直撃、賃上げ圧力
これらが重なり、これまで何とか持ちこたえてきた会社が限界を迎え始めているのです。
三重苦の連鎖——なぜ会社は追い詰められるのか
① 物価高騰:値上げできない6割の企業
原材料費・エネルギーコストが上昇する中、価格転嫁できている企業は全体の約4割にとどまります。
残り6割は利益を削りながら同じ価格で商品・サービスを提供し続けています。
仕入れが100円→110円になっても売値を据え置けば、粗利はその分だけ消えます。
② 賃上げできない→人が辞める
粗利が削られた状態では賃上げの原資がありません。
しかし最低賃金は毎年上昇し、求職者は条件の良い職場を選びます。
賃上げできなければ採用競争力を失い、既存の社員も条件の良い職場へ流れていきます。
特に中小企業は大企業と比べて転職率が高く、この傾向が顕著です。
③ 人が辞める→採用できない→さらに追い詰められる
5人の社員が4人になれば、残った4人に仕事の負担が集中します。
給与はそのままで業務量が増えれば、さらに人が辞めます。
せっかく採用して1ヶ月かけて教育しても、また辞められる。
この負のスパイラルが続くと、やがて事業継続が困難になります。
2030年問題が追い打ちをかける
この三重苦に加え、2030年に向けた最低賃金1,500円問題が経営に追い打ちをかけます。
現在の最低賃金1,121円が1,500円になれば、賃金水準は約1.4倍。
国税庁が公表する民間平均給与478万円をベースに計算すると、
5年後には678万円——1人あたり年間200万円近い人件費増が見込まれます。
仮に半分の100万円の増加としても、社員10人の会社なら年間1,000万円の人件費増です。
これを吸収できる収益体質を今から作れていなければ、2030年を迎えた時に詰んでしまいます。
解決策は「ロードマップ」——場当たり対応では間に合わない
「とりあえず採用を頑張る」「値上げを検討する」という個別対応では根本解決になりません。
物価高騰・賃上げ・人手不足は密接に連動しているため、3つをセットで設計する必要があります。
バイさんが提唱するのは高収益体質への転換ロードマップです。
例えば「社員の平均年収を現在の500万円から2030年に向けて600万円以上にする」という目標を設定したとき、
逆算すると「1人あたり年100万円以上の人件費増を吸収するだけの粗利をどう稼ぐか」という問いに行き着きます。その答えを3年・5年のスパンで設計することが、今すぐ始めるべき経営改革です。
現状のままで今日できることを積み重ねるだけでは間に合いません。
収益体質そのものを変えるための設計図を今から描くことが、生き残りの唯一の道です。
まとめ
1日30社の倒産は、他人事ではありません。
物価高騰で粗利が削られ、賃上げができず人が辞め、採用もできず。
この三重苦の連鎖は今まさに多くの中小企業で起きています。
2030年の最低賃金1,500円時代を生き残るために、
今から高収益体質への転換ロードマップを描くことが急務です。
バイさんの著書『稼ぐ数字 儲け続けている経営者はセオリーを知っている』(マネジメント社)も
ぜひあわせてご覧ください。
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