銀行融資が一発アウト!?決算書に潜む「社長への貸付金」の罠
「今期は黒字だし、決算書の見た目も悪くない」と思って銀行に融資を申し込んだら、
思わぬ理由で断られることがあります。
その原因の一つとして考えられるのが、決算書の資産の部に計上されている
「役員貸付金(社長への貸付金)」です。
実は、銀行審査において「貸付金」は最も嫌われる勘定科目の一つです。
今回は、なぜ社長への貸付金があると融資が止まってしまうのか、
その理由と決算前にすべき必須の対策について解説します。
1. 「社長の私的流用(横領)」とみなされ、資産価値はゼロに
会社が社長個人にお金を貸している「役員貸付金」は、
決算書上は「資産」として扱われます。
しかし、銀行が融資審査の際に独自の基準で作り直す
「実態貸借対照表(実態BS)」においては、全く異なる評価を下されます。
銀行は、社長への貸付金を「会社のお金を社長が私的に流用している
(極端に言えば横領しているのと同じ)」とみなします。
そのため、どれだけ多額の貸付金が資産として計上されていても、
銀行はその資産価値を「ゼロ」として容赦なく実質資産からマイナス(減額)して再計算します。
その結果、表面上は純資産がプラスの優良企業に見えても、
実態としては「債務超過」と判定されてしまい、融資がストップする大きな要因となります。
2. 「貸した事業資金が社長個人に流れている?」資金使途の疑い
もう一つの致命的な理由は、「資金使途(お金の使い道)」に対する強い疑念です。
銀行は、会社の事業を発展させるためにお金を貸しています。
それにもかかわらず、決算書に社長への多額の貸付金があると、
銀行は「うちが貸した事業用のお金が、
社長個人のプライベートな用途(生活費や車の購入など)に流用されているのではないか?」
と疑います。
これを「資金使途違反」と呼び、銀行の信頼を根底から崩す行為です。
社長本人への貸付だけでなく、関連会社や知人への貸付であっても、
同様に「事業のために貸したお金を他に回している」とみなされ、
評価を大きく下げる要因となります。
3. 「仮払金」でごまかすのもNG!決算前に必ず精算を
では、融資を受けるためにはどうすれば良いのでしょうか。
答えはシンプルで、「決算日までに貸付金を完全に消す」ことです。
貸借対照表は、決算日(例えば3月31日)時点の財産状況を切り取ったものです。
極端な話、決算日の前日である3月30日まで貸付金が残っていたとしても、
3月31日までに社長個人の預金から会社へ返済し、
帳簿上の残高をゼロにしてしまえば、決算書に「貸付金」として表示されることはありません。
また、貸付金という科目を避けるために、
使途が不明瞭な「仮払金」という科目で処理してごまかそうとするケースがありますが、
これも銀行からは「実質的な貸付金ではないか?」と厳しく疑われます。
仮払金という不明透明な科目も極力使わないことが鉄則です。
まとめ
決算書に「貸付金」や「仮払金」が残っていると、
それだけで融資のハードルは絶望的に上がってしまいます。
融資を検討している経営者は、決算を迎える前に必ずこれらの科目を社長個人の資金で精算し、
銀行から疑われないクリーンな決算書を作るよう徹底しましょう。
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