完璧な決算書がまさかの否決!?銀行がこっそり作る「実態バランスシート」の恐怖
「今期は黒字だし、自己資本比率も20%あるから融資は余裕で通るだろう」
そう自信満々で銀行に決算書を提出したのに、あっさりと融資を断られてしまうケースがあります。
なぜ、立派な決算書なのに審査に落ちてしまうのでしょうか?
実は、銀行は税理士が作成した決算書をそのまま信じているわけではありません。
提出された貸借対照表(BS)をもとに、銀行独自の厳しい基準で「実態貸借対照表(実態BS)」
というものを裏で作り直しているのです。
今回は、銀行評価を急落させる「実質債務超過」の罠と、
決算前にやっておくべき対策について解説します。
1. 銀行の「赤ペン」が入る要注意な勘定科目
銀行が実態BSを作成する際、主に「資産」の部を厳しくチェックし、
価値がないと判断したものを容赦なくマイナス評価(減額)していきます。
特に以下の科目は要注意です。
売掛金(未回収のリスク)
取引先からの入金が何ヶ月も滞っている売掛金は、
「不良債権」とみなされ資産価値をゼロにされます。
棚卸資産(不良在庫)
長期間売れていない商品や賞味期限切れの在庫は、
価値がないものとしてマイナス評価を受けます。
社長への貸付金(役員貸付金)
会社から社長にお金を貸している場合、
銀行はこれを「会社の資金の私的流用」とみなし、資産価値をゼロとして扱います。
不動産や有価証券
過去に高く買った土地や株も、現在の「時価」に引き直されて計算されるため、
購入時より価値が下がっていれば大幅なマイナスになります。
2. 「実質債務超過」に転落すると融資は絶望的に
上記のように資産をどんどん減額されていくとどうなるでしょうか?
表面上は資産が負債を上回っていた(純資産がプラス)としても、
実態ベースで計算し直すと「負債が資産を上回る(純資産がマイナス)」状態に陥ることがあります。
これを「実質債務超過」と呼びます。
銀行は債務超過の会社への融資を極端に嫌うため、
実態BSで債務超過と判定された瞬間、融資はストップしてしまいます。
3. 評価を劇的に回復させる「役員借入金」の活用
もし、実態BSをシミュレーションしてみて
債務超過になりそうな場合はどうすればいいのでしょうか?
有効な対策の一つが、「社長個人の資金を会社に入れる(役員借入金として計上する)」ことです。
社長から会社への貸付(役員借入金)は、金融庁のルール上「負債」ではなく
「資本(純資産)」とみなしてよいことになっています。
決算日までに社長個人の預金を会社に入れ、
科目名をただの「短期借入金」ではなく「役員借入金」と明確に記載することで、
実質的な純資産が増加し、債務超過を回避できる可能性が高まります。
まとめ
銀行融資を成功させるためには、決算書上の数字を飾るだけでなく、
「銀行員がどう見るか(実態BS)」を先回りして考える必要があります。
決算を迎える前に、回収不能な売掛金や不良在庫を整理し、
役員への貸付金は絶対に発生させないよう財務の健全化を図りましょう。
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