高い備品は「即時償却」と「税額控除」どちらがお得?中小企業特権の賢い選び方
中小企業が機械やソフトウェアなどの高額な設備投資を行う際、
ぜひ知っておくべき特権が「中小企業経営強化税制」です。
一定の条件(機械装置なら160万円以上、ソフトウェアなら70万円以上など)を満たすと、
強力な減税措置を受けることができます。
この制度の最大の特徴は、「即時償却」か「税額控除」のどちらかを自分で選べるという点です。
では、一体どちらを選んだほうがトータルでお得になるのでしょうか?
「即時償却」と「税額控除」の違い
例えば、200万円のソフトウェアを購入したとします。
- 即時償却(全額一括で経費にする)
通常であれば5年など複数年に分けて経費(減価償却)にしていくものを、
購入した1年目に一括で全額経費として落とすことができます。
200万円全額が経費になれば、法人税率を約33%とすると、
その年の税金を約66万円も削減できます。 - 税額控除(ダイレクトに税金を減らす)
通常の減価償却(例えば毎年40万円ずつを5年間)を行いながら、
それとは別に設備投資額の10%(この場合20万円)を、
直接法人税から差し引くことができます。
判断基準:トータルでお得なのは「税額控除」
一見すると、初年度に66万円も税金が安くなる「即時償却」のほうが
得に見えるかもしれません。
しかし、即時償却はあくまで本来5年かけて経費にするものを
「1年目に前倒し」しただけです。
つまり、税金の支払いを先送り(繰延べ)しているだけであり、
2年目以降は経費として落とせる額がなくなり、かえって税金が上がってしまいます。
一方、「税額控除」は通常の減価償却による経費計上はそのままに、
追加で税金が10%安くなるため、トータルで支払う税金が最も少なくなるのは「税額控除」です。
したがって、基本的には「税額控除」を選ぶのが賢い選択と言えます。
ただし、「今年は利益が出たけれど、来年以降は利益が出そうにない(赤字になりそう)」
という場合には、目先の税金を一気に減らせる「即時償却」を選ぶメリットがあります。
最大の注意点:購入前の「事前手続き」が必須!
この素晴らしい制度ですが、1点だけ非常に重要な注意点があります。
それは、「設備を購入する前に」手続きをしなければならないということです。
制度を適用するには、工業会などから証明書をもらったり、
国に「経営力向上計画」という計画書を提出して認定を受けたりと、
少し手間と時間がかかります(1ヶ月以上かかる場合もあります)。
税理士に相談せずに勝手に購入して事後報告しても、この制度は使えません。
手続きが間に合わない場合の「裏ワザ」
決算間近になって設備投資を決めた場合など、
事前の計画書提出が間に合わないこともあります。
その場合は「中小企業投資促進税制」という別の制度が使えます。
こちらは工業会の証明書や計画書の提出が不要で、
税理士に申告を依頼するだけで適用できる手軽な制度です。
ただし、節税のメリットは少し下がり、
「即時償却(100%)」ではなく「特別償却(通常の償却+30%前倒し)」、
または「税額控除10%」ではなく「税額控除7%」からの選択となります。
まとめ
設備投資を行う際は、購入したいと思った時点で必ず顧問税理士に相談しましょう。
時間的猶予があるなら、少し手間をかけても「中小企業経営強化税制」で
税額控除(10%)を狙うのが、長期的にお金を残すためのベストな選択です。
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