稼ぐ数字で会社を倍倍にするとは?【中小企業経営者必見】
黒字でも倒産する時代へ
2025年上半期、全国の企業倒産件数は5,003件と、実に12年ぶりの高水準に達しました。
(参考:TBS NEWS DIG)
しかも注目すべきは、その中に「黒字倒産」が多数含まれていることです。
「決算は黒字なのに資金繰りで行き詰まる」──。
これは特別なケースではなく、どの中小企業にも起こり得る現実です。
なぜこんな事態が起こるのか?
答えは、経営者が「売上」や「利益」という一面的な数字しか見ていないからです。 本記事では、年商1〜5億円規模の中小企業経営者、2代目社長を想定読者として、会社を本当に伸ばすための「稼ぐ数字」の考え方を解説します。
稼ぐ数字とは?5つの視点で会社を伸ばす
私が考える「稼ぐ数字」とは、会社を持続的に成長させるために必須の5つの視点です。
1.売上倍倍
– 顧客・商品・販売方法をどう設計するか
2.利益倍倍
– 粗利率・営業利益率をどう高めるか
3.資産倍倍
– キャッシュフロー・運転資金をどう管理するか
4.採用倍倍
– 採用効率と定着率の両立
5.時間倍倍
– 経営者と組織全体の時間の使い方この5つを押さえることで、会社は単なる売上拡大ではなく、「お金が残る成長」を実現できます。
売上だけでは会社は伸びない
増収減益の典型例:日本旅行の決算
2025年8月、日本旅行が中間決算を発表しました。売上は微増しましたが、利益は減少。
いわゆる「増収減益」の典型例です。
参考:
日本旅行、2025年度中間決算発表(Travel Voice)
粗利率がカギ
売上が伸びても粗利率が下がれば、お金は残りません。
・売上2億円 × 粗利率20% = 粗利4,000万円
・売上2億円 × 粗利率30% = 粗利6,000万円
同じ売上でも、粗利率の違いで利益の余力は大きく変わります。
黒字倒産のリスクを避ける
利益とキャッシュフローは別物
黒字倒産の背景には「利益」と「キャッシュフロー」の違いがあります。
決算では黒字でも、入金が遅れて支払いが先に来れば、資金ショートは簡単に起こります。
◎経営者は「利益」だけでなく「営業キャッシュフロー」を毎月確認する必要があります。
採用の数字は「定着率」で考える
採用人数ばかりを追っても、離職率が高ければコストは膨らむ一方です。
・10人採用して3人しか残らない会社
・5人採用して4人残る会社
成長するのは後者です。
◎採用は「人数」ではなく「定着率」で数字を見ることが重要です。
経営者の「時間の数字」をどう使うか
経営者にとって最も貴重な資産は「時間」です。
24時間をどう配分するかが、会社の成長速度を決めます。
- 営業に時間を使うのか?
- 人材育成に時間を使うのか?
資金繰りに追われるのか?
◎「経営者の時間=最大の投資資産」と考えて活用すべきです。
まとめ:数字を制する者が会社を制す
・売上の数字
・利益の数字
・資産の数字
・採用の数字
・時間の数字
この5つの「稼ぐ数字」を押さえることが、会社を倍々に成長させる唯一の方法です。
経営に必要なのはセンスや根性ではなく、正しい数字の見方です。
数字を制する者が、会社を制します。
次回予告
次回は 「売上倍倍 #1:なぜ売上が伸びてもお金が残らないのか?」 をテーマに解説します。
「増収減益」の実例をもとに、粗利率の重要性をシミュレーションを交えてお伝えします。
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